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柿は栽培の歴史が長い為、いろいろな民間療法にも利用されてきました。現在なお検討を要するところも多いものと考えますが、その代表的なものをご紹介します。
- 高血圧予防に柿渋の飲用
柿の実には、独特のタンニン物質が含まれていますが、現在この主成分はロイコデルフィニジンの配糖体とされており、この化学構造式は、毛細血管の老化を予防するものとして広く用いられているルチンと類似しています。そのため柿の渋が古くから高血圧の予防に用いられてたのも、ルチン同様の作用があったものと思われます。現在では、渋を薄めて飲用するほか、脱臭して糖を加え乾燥させた健康補助食品も作られています。
- 柿帯湯(していとう)
柿のヘタを乾燥保存し、これを煎じて飲み、しゃっくり止めに使います。なお、柿帯は、漢方薬店で手に入れることが出来ます。又、民間では、夜尿症の治療に用いるところもあります。
- やけどのぬり薬
やけどをした時に、渋柿の絞り汁を頻繁に患部に塗ると、痛みが和らぎ、治りも早まると言われ古くから応急薬とされています。
- しもやけに柿の実の煎じ薬
柿の実を酒で煎じて、半量程度にまで煮詰めたものを、朝夕患部に塗ると症状が軽くなると言われています。なお、しもやけの出来やすい人は、毎日1〜2個の干し柿を常食すれば予防に効果があると言われています。
- 腸出血に「ころ柿」の黒焼き
腸出血の時、「ころ柿」を炭火で黒焼きし、これに湯を注いで飲むと出血が止まると言われています。
- セキ止め
干し柿の白粉を茶さじ1杯程度服用すれば、セキ止めに効くと言われています。
- 切り傷
切り傷に渋柿の実の切り口を患部に張ると、血が止まります。実をつぶした汁を切り傷に塗っておくと早くふさがります。
- 肌のかゆみ
肌の一部が赤くなってかゆい時は、実をつぶして絞り汁を取り、それを一日二回患部に塗ります。まず、かゆみが止まりそれから肌の赤みも消えます。
- 虫さされ
毒虫に刺されて腫れたところに、実の切り口を張るか、絞り汁を塗ります。
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